真美は小学四年生、丸顔の目のパッチリとしたかわいい女の子。
でもなぜか、いつも暗い顔をしているのです。真美の笑った顔を、クラスの皆んなは見たことがありません。というのも、真美のパパはママとけんかして、一年前に家から出て行ってしまったからです。大好きだったパパと別れ別れになった真美のショックは大きく、しばらくは口がきけないほどでした。そんなわけで、真美の顔から笑顔が消えていったのも、むりはなかったのです。
いつも暗い顔をしている真美でしたから、クラスの皆んなは、あんまり真美のことが好きじゃありませんでした。好きじゃないのは、そこだけじゃありません。毎日のように、ウソをつくからでした。たとえば、来てもいないのに"先生が来たわよ!"とウソをついたり、"私の家は大金持ちで、お手伝いさんが何人もいるのよ!"とウソをついたり、ある時なんかは、"私UFOにのったのよ!"なんて、分かりきったウソをつくのです。だからクラスの皆んなから、「ウソつき真美!」と、かげ口をいわれていたのでした。 担任の原口先生も、真美がウソをつくことは知っていました。でも、どうしていいのかわからないのでした。