縁は異なもの味なものといいますが、縁ほど不思議なものはありません。あなたがこの小冊子に出会えたことも、縁あってのことで、それは必要だから出会えた必然です。言い替えれば、この小冊子を読むにふさわしい魂の持ち主だから出会えたのです。その縁を無駄にしないでください。
どんなに病気が癒せても、名医とはいえません。病気にならない方法を教え、病気にならないようにしてやるのが名医です。下流でいくらゴミを拾い集めても、上流を清めない限りゴミが無くならないように、いくら結果対処しても原因対処しない限り根本治療にはつながらないからです。私が物事の本質にこだわるのは、そういった理由があるからです。その意味からいえば、この本に書いてあることも同じ事がいえるわけですが、ただこの本に書いてある事は、人の心に変化を与える可能性がある点、他の治療法とは違います。たとえば、今まで唯物的だった人が唯心的になるとか、物質一辺倒だった人が、絵や、音楽や、自然や、宇宙などに興味を抱くようになるとか、見える物しか信じなかった人が、見えないものを信じるようになると言ったふうにこの本は、心に微妙な変化をもたらす可能性があるのです。心に変化が起きれば、身体に変化が起きるのは当然ですから、この本を読むことは大いに意味のあることなのです。
何度もいうように、病気は外から来るものではありません。内から、自分の心から来るのです。ですからどんなに医学が進歩しても、心を無視する限りこの世から病気が無くなることはありません。とはいっても、私は現代医療を否定しているわけではありません。現代医療もそれなりの役割を果たしているのですから、それはそれで必要です。ただ私は、何が大切か知ってほしいのです。つまり人の心が病気を作っていることを、医療に携わっている人たちに知ってほしいのです。生きているのは物では無く、心だからです。私たちは肉体ではなく心です。つまり、私たちの本性は生命です。このことを知って欲しいために、この小冊子を書いたのです。
人間の目には、宇宙の大きな意志の働きは見えません。だから何か悲劇が起きても、人の目には偶然にしか見えないのです。でもどんなに偶然に見えても、そこにはきっちりとした意味があり、目的があるのです。
あなたに何か起こったら、宇宙生命は一体自分に何を望んでいるのか?、深く考えてみて下さい。きっと何かが見えてくるはずです。