経済は人間が作ったもの、だから、本来、人間が経済を使うべきなのですが、今の人間は経済に使われています。もう人間の意思で、動かすことも、止めることも、変えることもできないのです。このまま進めば、間違いなく大きな悲劇を生み出すでしょう。さて、人間はどうするでしょうか?。
今ある飛行場に、幸せの国に向かって飛び立とうとしている飛行機が待機しておりました。しかしその飛行機に乗れるのは、欲のない身軽な人達だけです。
すでに搭乗手続きが始まっており、みな身一つで飛行機に乗り込んでゆきます。そこにデップリと太った男がやってきて、保安検査機を通り抜けようとしました。でも彼は沢山の金貨を持っていたので、保安検査機に引っ掛かってしまいます。
「お客さん、この飛行機は身軽な人でなければ乗れないのですよ!。どうか金貨を捨ててきて下さい!。」と係員にいわれます。しかし男は係員のいうことに耳を貸そうとせず、「本当にこの飛行機に乗れば、幸せの国に行けるのかね?」と、疑いの眼差しを向けます。
「ええ、間違いありません。ですから早く金貨を捨ててきて下さい!。」係員は促します。でもそういわれても踏ん切りがつかないのか、男はなかなか金貨を捨てに行こうとしません。そうこうしている内に、飛行機は飛び立ってしまいました。
資本主義を放棄する時、真っ先に反対するのは資本家や大金持ちでしょう。彼らはお金がすべてと思っていますので、お金抜きで幸せが得られるなど、とても考えられないのです。さあ彼らは、お金を捨て切れるでしょうか?。捨て切れないでしょうか?。
今人類には、左から右へのコース変更が迫られています。左のコースとは資本主義社会のことで、死地へ続く絶望の道です。右のコースとは奉仕社会のことで、生地に続く希望の道です。でもコース変更するには、欲を捨てねばなりません。さあ人類は、一体どうするでしょうか?。
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