最近、バーチャル・シアターといわれる疑似体験旅行が話題になっていますが、これは自分が体験旅行の中にそっくり取り込まれ、あたかも実体験しているかのような感覚が味わえるというものです。
たとえば、ジェット機の操縦席に乗っている疑似体験旅行の場合、眼前には百八十度の立体画面が用意され、耳からは立体音響が聞こえ、匂いまでもし、操縦席も本物のように動くといいます。正に、五感を最大限に生かした疑似体験旅行です。
私達のこの世の体験も、バーチャル・シアターそのものといえるでしょう。ただ違うのは、自分の意思で体験内容をどうにでも変えられる点です。つまりバーチャル・シアターは筋書きが決まっていますが、この世の体験は自分が筋書きを決めるのです。
私達は今、肉体という乗物に乗って色々な体験をしているわけですが、それは正にバーチャル・シアターそのものではないでしょうか?。何のことはない、私達は今、バーチャル・シアターで演技している真最中というわけです。
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